健康アドバイス

ストレスのはなし

ストレスのはなし

「最近疲れやすくて…」「どうもやる気が出ない…」なんて悩みはありませんか? 人は過剰なストレスを受けたときに対抗するために、身体的ストレス反応、精神的ストレス反応があり、最終的に様々な不調をきたす場合があります。ストレスチェックの確認で、こころの健康、メンタルヘルスのためにストレスと上手に付き合う方法と、ストレスについて正しく理解しましょう。

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ストレスチェック

ストレスとは

「ストレス社会」といわれるように、私たちは日常生活の中でさまざまなストレスを感じながら生活をしています。過度なストレスは人を不調にしますが、実は適度なストレスは人を活動的にさせるのです。

ストレスの状態は運動と似ている?図からもわかるように、ストレスの上り坂は緩やかであり、ストレスが増えるに従い活動性も増していきます。しかし、過度のストレス状態では下り坂が急で、一気にその人の活動性を奪ってしまいます。これは運動と似ています。つまり、適度な運動は体力をつけて人を健康にしますが、過度な運動は故障の原因となるのです。

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良いストレス?

よいストレスとは、人間を活動的に前向きに進めてくれるストレスです。たとえば、緊張感がまったくない状態では、簡単なミスをしてしまいがちですが、いわゆる適度な緊張感があると、スポーツや勉強や仕事などで実力を発揮でき、よい結果を得ることができます。疲れを感じてもそれはむしろ心地よい疲れであり、ぐっすり眠れるなど健康維持に役立ちます。

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元気をなくす悪いストレス?

わるいストレスとは、人間に不快な疲れを生じさせ、元気をなくしてしまいます。このストレスを受けているときには、活力がないため実力を発揮できない状態となります。わるいストレスは、その人の活力を消耗させ、心身の病気にかかりやすくしてしまいます。

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ストレスで起きる心身の不調

ストレス状態にも「よい」「わるい」があることをお話しましたが、今回はさまざまなストレス症状についてご紹介していきます。理解を深め、早めに自分自身や周りの人たちの変化に気づいていくことが大切です。

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胃十二指腸潰瘍、潰瘍性大腸炎、過敏性大腸、神経性嘔吐、本態性、血圧、神経性狭心症、過呼吸症候群、気管支喘息、甲状腺機能亢進症、神経性食欲不振症、偏頭痛、筋緊張性頭痛、書痙、痙性斜頸、、節リウマチ、腰痛症、頸肩腕症候群、原発性緑内障、メニエール病、円形脱毛症、インポテンツ、更年期障害、心臓神経症、胃腸神経症、膀胱神経症、神経症、不眠症、自律神経失調症、神経症的抑うつ状態、反応性うつ病、その他(神経性○○症)

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身体を精神のSOSーストレス・チェック

人間は過剰なストレスを受けたときには、それに対抗するために、さまざまな反応を示します。その中には身体的反応精神的反応があり、最終的に不調をきたすときにも身体的症状にあらわれる場合と精神的な症状を中心とする場合があります

身体的ストレス

身体的は症状の代表は胃潰瘍です。ストレスを感じると胃が痛くなるという経験をした人も多いでしょう。これはストレスによる胃酸のコントロールや胃の粘膜の保護がうまくいかない状態を示しています。ストレスなど心の問題が原因で身体に病気が出てくる状態を心身症をいいます。

精神的ストレス

心の不調の代表がうつ状態(病)です。気分が晴れない、寂しい、希望が持てない、意味のなく悲しい、自分がつまらなく思えるなどの症状が出ます。また、考えが前向きに進まなくなり、仕事や勉強の効率が上がりません。そのため、本人は周囲に迷惑を掛けていると思い、仕事などを一生懸命やろうとしますが、気力が出ないのでできない状態が続いてしまいます。

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うつ状態(病)になるとどうなるの?

うつ状態(病)にある人は、周囲からみると怠けているようにも見えるので「どうした、がんばれ!」といいたくなります。しかし、本人は自分が仕事ができないことをよく自覚しており、周囲の人にすまないと思っているので、励まされるとかえってプレッシャーとなり、一層気分が沈んでしまうことが珍しくありません。この悪循環に入ってしまうと症状はさらに悪くなっていきます

誰にでも機嫌の良い日や悪い日があり、気分が沈むこともあります。しかし、うつ状態(病)はその程度が強く、主に以下のような特徴と原因が上げられます。

特徴と原因

特徴1) 期間が長い
特徴2) 不眠などの症状が出てくる

原因1) 大きな心理的ショックを受ける出来事(家族の死や生活環境の変化など)
原因2) ストレスの蓄積(上司や部下との人間関係や過重な仕事による疲労など)

とくに原因もなく起こることもありますが、職場環境などが大きく変化している現在は、うつ状態(病)は誰にでも起こりうるものだといえるでしょう。
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心の健康を高める3つの方法

ストレスからくる心身の不調は誰にでも起こりうるもの。その対処方法を知って、まずは気持ちを大らかに持つことから始めてみましょう。

ストレスを受けやすい人は、自分のストレスに気づきにくいという特徴があります。自分は大丈夫だと思わずに、ストレスを積極的に発散したり、うまく付き合う方法を身につけたりすることが大切です。

ポイント


1.自分の好きなことをする時間を作る:自分の趣味や好きなことをしている時間はリラックスできます。


2.適度な運動:運動自体がストレス発散に役立つだけでなく、適度な疲労によってぐっすり眠れる効果も期待できます。


3.楽しい時間を人と過ごす:家族やお友達と楽しくおしゃべりをしたり美味しい食事などをして気分転換をするのもストレスの発散方法です。

いずれにしてもストレスの原因がなくなったわけではありませんので、根本的には問題は解決していません。人間関係や仕事などの悩みは一人で考え込まず、友人や近くの医師、保健師に相談してみてください人に話すことで、問題が整理され、解決方法が見つかることがしばしばあります。

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うつ状態(病)どうやって対処する?

うつ状態(病)にかかると自分が苦しいのはもちろん、生活面にもさまざまな影響を及ぼしてきます。考えが前向きに進まなくなったら無理をせずに、次の対処方法を参考にしてみてください。

もちろん専門医を受診することですが、ストレスなどが原因である場合の対処方法は以下の2点です。

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休養

最も効果的な対処方法が休養です。仕事を離れ、自分の時間を十分に取り、自分自身の現状を受け入れることが大切なステップです。

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規則正しい生活

うつ状態(病)は睡眠の室の低下(早朝に目覚める、夜間に目覚めその後寝れない、寝付きが悪いなど)が起こりやすいので、特に睡眠に注意して規則正しい生活を心掛ける必要があります。

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うつ状態(病)人への接し方

    • 「がんばれ!」などと励ますことは避けましょう。しかし、けっして本人のわがままを聞く必要はありません。
    • 本人がリラックスできる環境を作ってあげましょう。
    • ある程度の励ましが必要となることもありますが、症状や程度などによって異なりますので、専門家・専門医によく相談をする必要があります。

うつ状態(病)は特別なものではありません。一般に、ストレスで胃潰瘍になった場合には、社会や会社はあまり深刻な問題と受け取らず、うつ状態(病)に関しては大問題であると受け取る傾向にあるように思われます。このことが問題を一層複雑にしているようにも感じられます。今後重要なことは、ストレスを正しく理解し、ストレスによる身体の病気や「うつ」をはじめとする心の不調などの症状を示す人を受け入れる社会や職場をつくることです。

(千葉大学大学院 医学研究院 環境労働衛生学分野 大久保 靖司)