健康アドバイス

クスリの正しい使い方

クスリの正しい使い方

病院から処方されるくすりや市販薬について、きちんと理解し使っていますか? 正しいくすりの使い方をどれだけ知っているかをまずはチェック。くすりを用いる場合、身体の変調を何とかよくしたい、しかし薬に副作用はつきものです。正しい知識を持って、くすりの効能をよく引き出しましょう。

クスリの正しい使い方
クスリの正しい使い方

どこまでクスリの使い方を自分で理解しているかを気になるようだったら『クスリの使い方チェック』で確認しましょう!

クスリの正しい使い方チェック
1. 
自分が飲むくすりのことを知っている
2. 
内服薬は必要最少限度に飲んでいる
3. 
くすりは必ずコップ1杯の水(またはぬるま湯)と一緒に飲んでいる
4. 
くすりの飲み忘れに注意している
5. 
古いくすりは飲まないようにしている
6. 
くすりをあげたりもらったりしていない
7. 
くすりの副作用に注意している
8. 
生活習慣の改善につとめている
9. 
くすりの用法を守っている
10. 
注射はなるべく避けている
11. 
高齢者はくすりの用量を少なめにしている
クスリの正しい使い方

 私たちが服用しているくすりには、次の3種類があります。

クスリの正しい使い方

主に中高年の生活習慣病予防のクスリで毎日定期的に長期服用します。

例:血圧降下薬、糖尿病薬、抗高脂血症薬、抗うつ薬など

クスリの正しい使い方

肺炎、膀胱炎、心筋梗塞など、急性疾患の発症に対処するものです。

例:抗生物質、血管溶解薬、喘息薬、血圧上昇薬など

クスリの正しい使い方

風邪、頭痛、不眠、下痢などの症状を抑える、一般外来でおなじみのクスリです。

例:風邪薬、下痢止め薬、睡眠薬、鎮痛剤、整腸薬など

クスリの正しい使い方

くすりはできるだけ副作用がなく、効果があるということが望ましいわけですが、くすりが引き起こす死亡事故や身体に障害が残るなどのいたましい例がたくさんあります。かぜぐすりを注射するのは、世界でも日本だけです。医師も患者も、くすりの副作用にもう少し注意を払ってほしいと思います

まずは消化管で吸収。ここでは食事、胃腸の状態、他のくすりなどの影響を受けます。

吸収されたくすりは肝臓に運ばれます。肝臓は巨大な化学工場のようなところで、ここで代謝がはじまります。

血行にしたがってさまざまな臓器に働きますが、その場合、その人の体重、栄養状態、加齢変化、慢性疾患、体質などで、効果と副作用の出方が違ってきます。

通常、腎臓と肝臓が大きな出口に。高齢者では腎機能が低下しているので、腎臓から排泄するくすりは量が多くならないよう注意が必要です。

クスリの正しい使い方

くすりを用いる場合には、身体の変調を何とかよくしたいという願望があります。しかし、くすりに副作用はつきものです。正しい知識を持って、くすりの効能をよく引き出すようにしましょう。以下にその注意点をあげておきます。

自分がどんなくすりを飲んでいるかを知っておく必要があります。わからないときは調剤薬局で聞けば教えてくれます。医師に聞いても教えてくれないようでしたら、医師を替えた方がよいと思います。病院によってはおくすり手帳を出して、患者さんの注意を喚起しているところもあります。薬物治療は本来、医師・薬剤師と患者との協力により効果があがるものです。

よく飲みきれないほどのくすりをもらう人がいます。しかし、くすりは種類が少ないほど効き目があります。種類が多いと相互作用を起こして効き目が悪くなります。また、副作用が出たとき、どのくすりが原因なのかがわからなくなります。ふだん飲むくすりは、できれば5種類以内にしたいものです。とくに複数の専門科で治療を受けている人は、他のところでどんなくすりをもらっているかを医師に話してください。

くすりを飲むときには、水またはぬるま湯をたっぷりとって飲んでください。とくに高齢者では十分に水をとらないと、のどに引っかかることがあります。

くすりを飲み忘れることがあります。忘れないためには、くすりをもらったらケースに入れ替えるようにしましょう。また、2回分を1度に飲むと危険なことがありますので注意してください。

飲まないくすりをいつまでも大事に保管している人がいます。少しくらいは古くなっても大抵は大丈夫ですが、あまり古いと変質して効き目が悪くなり、副作用が出ることがあります。また、とくに指定されたくすり以外は、冷蔵庫に保管しないでください。

自分に効いたくすりが他の人に効くとは限りません。人にはそれぞれの体質があります。医師は患者さんの体質を考えて処方をしているので、他人のくすりが時には重い副作用を招きます。

くすりの副作用は実にさまざまです。どうも元気が出ない、ふらふらする、食欲が落ちる、便秘する、性行為ができない、咳が出る、眠くなるなどの症状が出たら、すぐに医師に知らせてください。くすりで糖尿病になったり、低血糖を起こしたり、胃出血を起こしたり、パーキンソン病になることもあります。発疹(薬疹)もよくあります。おかしいと思ったらくすりのせいではないかと疑って、医師に知らせることが大事です。漢方薬にも副作用があるので注意してください。

昔から「くすりより養生」と言われてきました。運動習慣や食生活の改善、禁煙などはどんなくすりも及ばない効果があります。不眠、食欲不振、便秘などは、生活習慣の改善が一番です。

くすりの服用回数は1回から3回まであり、時刻も起床後、食前、食後、食間、就寝前などさまざまです。間違いやすいので、最近では慢性病管理薬は1日1回、朝服用というものが多くなりました。わからないときは、医師や薬剤師に聞いてください。

かぜをひいたり疲れているからといって、即効的な注射を要求する人がいます。しかし、薬物事故の多くは注射によるものです。かぜぐすりの注射で倒れる人もおり、くすりを間違えると大変なことになります。皮膚や静脈から薬物が入るのは非生理的で、危険も大きいのです。インスリンや応急のとき以外は、注射は避けるようにしましょう。

高齢者は、病気が多いのでくすりも多くなりがちです。しかし、年をとると代謝、排泄機能が低下し、血液中のくすりの濃度が高くなって副作用を起こしがちです。このため、医師はなるべく量を減らすように配慮しています。 介護に当たる人はとくに注意をしてあげてください。

健康事業総合財団[東京顕微鏡院] 学術顧問、東京都老人医療センター名誉院長 小澤利男)