美肌食事典

Natural Skin Color – 顔色・肌色をよくする食べ物

美肌食事典 顔色をよくする食べ物

肌は血液から栄養をもらって生きています。「肌は内臓の鏡」とも言われます。いい食事は「薬」にはならないけれど、必ずあなたの肌を元気にします。今のあなたに必要な美肌食は、さていったい何?

気になるのは?  シミ・ソバカス  目の下のクマ  赤ら顔  日焼け  くすみ肌

肌質をよくする食べ物 シミ・ソバカス
シミ・ソバカスにビタミンCは効果あり?

シミ、ソバカスにはビタミンCとよく言われますが、これは本当です。すぐに効果が出なくてもあきらめずに食べ続けましょう。ビタミンCは熱すると壊れたり、水に溶け出してしまったりと結構デリケート。だからいちご、キウイフルーツ、グレープフルーツなど火を加えなくても食べられるものが効率がよいです。さらに、ニガウリのビタミンCは、調理しても全然壊れないツワモノです。ぜひおうちで食べてみてください。

ビタミンCを逃さない方
壊れやすいビタミンC。切ってから洗ったり茹でたりして細胞が破壊されると、そこからビタミンCは流れ出てしまいます。洗ったり茹でたりはなるべく大きいままでするといいですね。そのあと、食べやすく切る、という順序がポイントです。実はビタミンC豊富でしかも加熱に強いじゃがいもも、皮ごと茹でてあとから皮をむけばビタミンCはほとんど逃げません。切る前に洗う、火を通す、切ったらすぐ食べる。実践することが美肌への近道です。
葉酸で新しい皮膚細胞と入れ替え

ぜひ知ってほしいビタミンのひとつが葉酸です。ビタミンBの仲間で、新しい細胞を作るときに必要不可欠。葉酸が体内に不足するとしみができやすい状態が見られます。葉酸は葉もの野菜(ほうれん草、小松菜など)や、果物、レバー類に多く含まれます。新しいきれいな肌細胞をつくるので、密かに生成されたメラニン色素もシミ・ソバカスになる前に古い細胞と一緒に剥がれ落ちていって、さよならです。

シミ・ソバカスが出来やすい食べもの

実は日焼けしやすいとささやかれている食べ物がセロリです。パリパリとした歯応え、みずみずしい食感、そしてあの香りが好きな人もいるでしょう。でもシミ・ソバカスが気になる方は、ちょっと我慢した方がいいです。

肌質をよくする食べ物 目のクマ
目の周りの皮膚が薄いからクマができる?

目の周りは顔の中でも特に皮膚の薄いところです。クマの出やすい人は、血流が滞りやすく、それが薄い皮膚を通して見えてしまうのです。ストレスや疲れがうっ血を招きますが、血液の粘度が高いことも血が滞りやすい、つまりクマになりやすい理由です。血をサラサラするものを食べましょう。玉ねぎ、青じそは最近、血をサラサラにする効果が高いと注目されています。また、充分な水分補給も忘れずに。

青魚のEPAで肌の代謝UP

サバ、いわし、サンマなどのいわゆる青い魚や、マグロ、鮭に豊富に含まれるEPA(エイコサペンタエン酸)は不飽和脂肪酸の一種。血液をサラサラにします。魚やアザラシを主食とするエスキモーの人たちに心臓病が極めて少ないことから研究が進み、今ではその効果が広く知られています。ビタミンEも豊富に含むので、肌の代謝もよくなってクマ以外の肌トラブルにもおすすめです。これらのお魚を調理したときにできるにこごりも食べ尽くしましょう。

*不飽和脂肪酸:室温で液状の脂肪。魚や植物性食品に含まれています。反対に動物性の脂は飽和脂肪酸を多く含み、室温で固まりコレステロールになりやすい。

オイル類で血液サラサラ

オイル類も不飽和脂肪酸を多く含んで、血液をサラサラにします(パーム油は例外)。中でもひまわり油、サンフラワー油、グレープシードオイルやオリーブオイル、ごま油など植物性のオイルは抗酸化作用の強いポリフェノールを豊富に含んで、カラダのサビ(=老化)を防ぎ、さらに!若返りのビタミン、ビタミンEがズバリ血行をよくする作用があるなどいいことづくめ。クマのみならず血行に悩む人は、「あぶら」を怖がらず毎日小さじ1杯ずつ試してみる価値ありです。

肌質をよくする食べ物 赤ら顔
赤ら顔の原因は?
赤ら顔の原因はさまざま。肌が薄く透明なら赤らんで見えることはよくありますし、にきびやアトピーで肌表面が炎症を起こしている場合も赤ら顔になります。また鼻の毛細血管が拡張して赤い人は肝機能が異常を起こしていることが考えられます。自分の顔色をよく見て適切な美肌食を摂ってください。
肌の炎症にDHAとアロエ茶

肌表面が炎症を起こしているのなら、青い魚を食べましょう。DHA(ドコサヘキサヘン酸)が豊富に含まれ、炎症を静める効果があります。DHAの多い魚ベスト5は、まぐろ、いわし、真ダイ、ぶり、さばです。天然ものだとかえって脂肪分が少ないので養殖で大丈夫、というのも手軽で嬉しいですね。アロエ茶も抗炎症作用では負けていません。ただし、ケープアロエという種類は副作用も強いようです。生理中、妊娠中などは飲まないように気をつけてください。

鼻の毛細血管が気になる
肝機能が正常でない場合、毛細血管が拡張して赤くなる場合がありますが、それは相当に不健康。肌レベルの問題ではなく、生活全体をチェックしましょう。食生活では、レバーがおすすめ。漢方では「類をもって類を補う」という考え方がありますが、レバーの良質なたんぱく質が24時間働き続ける肝臓にエネルギーを補給します。肝臓の解毒作用を強化するタウリンも有効。そして肝機能障害の原因となる過酸化脂質の生成を抑える大豆サポニンも期待できます。お酒を飲むときはたこ刺し、レバ刺し、冷奴。飲んだ翌朝はしじみ汁で肝臓を守って!
肌質をよくする食べ物 日焼け
日焼けのあとの肌は乾燥しています

やっぱり肌色をきれいにするにはビタミンCが欠かせません。特に日焼けのあとの肌は水分が奪われて乾燥していますから、皮膚に水分がほしいところ。ビタミンCをたんぱく質と摂取するとコラーゲンを作り出して、みずみずしい皮膚をもたらします。トマトと牛肉の炒めものとか、グレープフルーツとヨーグルト、など組み合わせを楽しんでみては?

色素沈着は亜鉛で撃退

日焼けは、紫外線から肌を守ろうとメラニンが発生してそれが定着するものです。肌のターンオーバー(28日周期で肌が生まれ変わること)とともにメラニンがうまく排出されれば色素沈着の心配はなし。ターンオーバーのリズムを正常にするビタミンはA、B群、そしてE。うなぎやレバー、青い魚、海藻、豆類、などですが、うなぎは皮膚の新陳代謝に必要なミネラル亜鉛も含んで肌には心強い食べ物。どうりで夏には土用の丑の日があるわけだ!秋には牡蠣もおすすめ!

日焼けによる肌の表面の炎症にDHA

メラニンによるものではなく、肌表面の炎症で秋の肌がくすむこともあります。炎症には魚に含まれるDHAを試してみては? まぐろ、いわし、真だい、ぶり、さばがDHA含有率ベスト5です。は中でもカロリー低め。値段はちょっとはるけど、養殖で大丈夫。取り入れてみましょう。

食物繊維で腸内の掃除

食物繊維は水分を含んで大きくなり腸にやってきます。これが通を形づくる材料なんですね。便に食物繊維が不足すると腸内の有害物質をからめとって排泄できないため、にきびを招くことがあります。1日20g~25g。実は結構大変だから一生懸命摂りましょう。1回の食事で効率よく食物繊維を摂れるのは納豆(これで約3.3g)、おから、ひじき、切干大根の煮物、干し柿1個、枝豆。他に、精製の少ない穀物や芋類、海藻類、豆類も。デザートなら寒天ものがおすすめです。そうそう、たっぷりの水分もお忘れなく!

肌質をよくする食べ物 くすみ肌
イキイキとした健康な肌には。。。

なんといっても、いきいきした肌の秘密は充分な酸素と水分なのです。みずみずしさと桃色の頬が女性を元気そうに見せるのです。イキイキとした健康な肌には充分なヘモグロビンが酸素を運ぶことが必要です。そのヘモグロビンを作る主原料はたんぱく質と鉄とビタミン。やっぱりレバーがいちばんです。特に豚レバーは牛レバーの3倍以上の鉄分を含み、強力な造血作用があります。しかもレバーの鉄が吸収されやすいヘム鉄の上、動物性たんぱく質を含むので鉄分の吸収はダントツ。顔色が冴えない、と思い当たるなら豚レバー。お試しを。

でもレバーは苦手!

「顔色はよくなりたいけど、でもレバーは苦手!」わかります。そんなあなた向けにレバー以外の鉄分情報をお伝えしましょう。まずは、他の内臓肉。「うわっ!」と思うかもしれないけどレバーよりクセが少ないものもあります。センマイ(牛の第三胃袋)やマメ(豚の腎臓)などは、焼肉屋さんで狙い目の鉄分豊富です。

その他に鉄分豊富な食べ物は?

「鉄分豊富とわかっていても、それでも内臓肉はちょっと……」、という人には牛肉の赤身はどうでしょう? お肉がだめ、という人ならカツオやマグロなどの魚、貝類はいかが? 単に含まれる鉄分の量だけでなく吸収率を考えるとやっぱり動物性の食品から鉄をとってほしいものです。それが他のミネラルやビタミンを複合的に摂ることができるチャンスだから。栄養は単体よりも複合的に、が効果的。

大豆製品の鉄分は?

動物性の食品よりも鉄分の吸収率が落ちるものの、毎日食べる大豆製品ならおすすめできます。納豆、高野豆腐など大豆製品は毎日の積み重ねが大事な「食べる美容」には向いている食べ物。内臓肉がダメな人はこの手でがんばりましょう。鉄分を含む食品としてほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜、ひじきやわかめなどの海藻類が代表的に挙げられますが、実はどちらも非ヘム鉄という吸収されにくい鉄である上に、食物繊維やアク成分のシュウ酸によってさらに吸収率が低下するので、鉄の供給源としてはあまりおすすめできません。

魚介類から鉄分

人によって好き嫌いがあるのはレバーといい勝負の牡蠣ですが、牡蠣フライ、好きな人にはたまりませんね。牡蠣フライにレモンを絞って食べてください。ビタミンCは鉄分の吸収を高めます。牡蠣が苦手な方にはわかさぎをおすすめ。こちらも動物性たんぱく質で鉄分を効率よく吸収できるし、わかさぎは頭から内臓まで食べられて栄養満点。鉄分たっぷりの血があなたの肌をほんのりいい色に見せます。

鉄分の吸収を高める食べもの

ズバリ、鉄分の吸収を高めるには鉄を含む食品プラス、以下の3つを食べること!
1.肉や魚:動物性たんぱく質、葉酸、ビタミンB6、B12、ミネラル
2.ビタミンC:緑黄色野菜、イモ類、果物に豊富
3.お酢の物:鉄分を吸収しやすい形に変化させます。胃液の分泌を促すことも鉄を吸収されやすい状態にします。

鉄分の吸収のために気をつけたいこと
鉄分補給のためにやってはいけないことをいくつか挙げておきます。あまりおすすめできませんが、もしほうれん草で鉄分補給するならシュウ酸が多いのできちんと茹でて食べること。それから食べ合わせですが、玄米のように精製の低い穀物にはフィチン酸がたっぷり含まれていて、これが鉄の吸収を阻害します。同じときに食べない方が鉄分に限って言えばよさそう。そして食中食後のお茶。これもお茶のタンニンが鉄の吸収を妨げるのでNGです。1時間後になら、OK。

監修:管理栄養士 平野美由紀