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こんなこと許される?産休の対応

私の知人が今年初めに妊娠しました。本人は就職するときに、産休がとれることを会社側に確認していたので、その手続きをとろうとしました。しかし会社側(特に社長)は、産休するくらいならいったん退職して再雇用する、といってきたそうです。それも再雇用の契約ではなく、念書みたいなものでごまかされようとしているようです。
 私はこれでは再雇用の保証になっていないと思い、ちゃんとするよう助言したのですが、本人は念書で再雇用してくれると思って、ことを荒立てない方向で退職するつもりです。
  こんなことが許されるのでしょうか? 女性を相手に商売をしている会社なのに、女性を蔑視した社長の発言は、とても社会的に許される事ではないと思うのです。
 法律の知識や戦う術がわからない私達は泣き寝入りするしかないのでしょうか?どうかお知恵を貸してください。


本当に復職の意志があるか

 まず、会社の対応、あなたや友人の考えは別にして、法的解釈を述べてみましょう。

 昭和61年に男女雇用機会均等法が施行されて以来、社会の意識の変化に伴い企業自身も変革を余儀なくされてきました。男性中心の考え方から脱皮し、女性にも男性と同じように活躍の場を開放し、差別のない企業風土を作ることが叫ばれています。さらに平成11年4月には、企業にとって今までは「一部禁止」や「努力義務」として位置付けられていたものが義務化となるなど、均等法が改正されました。お尋ねの産休の件はこの中にあります。

事業主が定年、退職および解雇について、してはいけないこと。
(1)     労働者が女性であることを理由として、定年及び解雇について男性と差別的取り扱いをすること。
(2)     女性労働者について、結婚、妊娠または出産したことを理由とする退職制度を就業規則などで定めること。
(3)     女性労働者が結婚、妊娠、出産したこと又は労働基準法の規定による産前産後休業を取得した事を理由として解雇すること。

 つまり法律的には、彼女は退職をする必要はないということ。社長との約束があるなしに関わらず、法的には守られています。妊婦は会社に予定日の6週間前から休みを請求することが出来、また会社は産後8週間は就業させることが出来ません。他にも妊娠週数によって、健康診断を受けに行く時間の確保や、請求すれば時間外労働や深夜労働、出産機能に有害と判断される業務などはしなくて良いことになります。さらに産後の育児休業として、その子が一歳になるまでは、休みを取る権利が認められています。もし就業した場合でも1年までは1日2回各30分程度は育児期間として、授乳のための時間を確保することも出来ます。最もこれは会社に保育所でもなければ無理ですが。

 以上が産休と育児休業の考え方です。つまり彼女は当然の権利として育児休業を請求出来ます。もし会社がこれを拒否するのであれば、労働基準監督所に訴えることも出来ます。 しかしながら、一つだけ真剣に確認して欲しいのは、彼女の”復職の意思”です。

 会社がせっかく育児休業を与えても、ふたを開けたら戻ってこない。そしてけろりと「すみませーん。やっぱり子育てに専念します。」なんて平気で言われてしまうことも、大変残念ながらしばしばあるようです。会社側の本音で言えば、彼女のポストはすぐに誰かに代行させなければならない、取りあえずの辛抱と思って対応をしておいたら、期間が終わっても本人が復職しない。そればかりか、その間に会社が負担する保険料なども全く無駄な経費となってしまうわけです。その繰り返しで懲りている会社がたくさんあることも事実です。

 つまり、女性が自分で自分たちの進む道を妨げている場合も多いのです。「取りあえず休暇を取って…それから考える」ではなく、本当に自分自身の子育てとライフプランをしっかり設計して、本気で復職の意思があるなら、”当然の権利”を請求してください。権利を取ったら義務を遂行する、その姿勢を私たち女性自身が確立していかなければ、いつまでたっても、本当の意味での平等な社会にはならないでしょう。

 お互いの信頼関係がないと、勝者と敗者のような気持ちになりがちですが、泣き寝入りするとか、戦うとかいう問題ではないように思います。またこの社長が女性を軽視した発言をしていることが許せないとありましたが、それはこの産休の問題とは別。あまりひどければセクシャルハラスメントの問題として取り上げてみてはいかがですか。

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